ものが二重に見える原因
片目でものを見たときに二重になる状態を「単眼複視」、両目でものを見たときに二重になる状態を「両眼性複視」といい、それぞれ原因に違いがあります。
単眼複視の場合
近視、遠視、乱視といった屈折異常、白内障が疑われます。
両眼性複視の場合
疲労や加齢によって眼を寄せる力が弱った状態(輻輳不全)が、頻度の高いものですが、突然にものが二重に見えるようになった、頭痛・めまいを伴うという場合には、脳神経障害、脳卒中などが起こっている可能性があります。
考えられる病気と疾患
白内障
主に加齢を原因として起こる病気です。水晶体が白く濁り、視野全体のかすみ、視力低下、光を眩しく感じるといった症状が有名ですが、片目で物を見ても二重に見える(特に月や、夜間の電灯)と言う訴えも頻度が高い症状です。ただ、初期のうちにはほとんど症状が現れないこともあります。
進行すると、水晶体が膨らんで緑内障発作を起こすケースも見られます。症状に気づいたときにはお早目にご相談ください。
眼精疲労
パソコンやスマホの連続・長時間使用など、目の酷使によって毛様体筋が過度に緊張し、ピントを合わせづらくなった状態です。軽度であれば休んだり一晩眠ったりすることで改善しますが、慢性化すると症状がなかなか取れません。
肩こりや頭痛などの不定愁訴、自律神経の乱れの原因になることもあります。
予防方法
休息・睡眠
目と身体をしっかりと休めましょう。パソコン作業が続く場合には、ときどき作業を中止して休憩をとるだけでも効果があります。
一晩しっかり眠った翌朝にもまだものが二重に見えるという場合には、何らかの病気を原因としている可能性があります。お早目にご相談ください。
検査・診断
当たり前のことですが、ものが二重に見えると感じた時点で眼科を受診し、検査・診断を受けることがとても大切になります。
単なる目の疲れなのか、屈折異常なのか、目の病気なのかをはっきりさせることで、適切な対応ができるようになります。