初期の白内障に目薬は効く?症状の特徴やチェック方法も紹介

初期の白内障に目薬は効く?症状の特徴やチェック方法も紹介

2025.02.25

初期の白内障に目薬は効く?症状の特徴やチェック方法も紹介

この記事の監修者

 
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

白内障は、手遅れになる病期ではありませんが、日常生活に支障をきたすまで症状が進行した場合、手術が必要です。治療が遅れると、その手術の難度が上がる(手術の難しい白内障になる)場合があります。


この記事では、白内障の発症から治療を受けるタイミングや初期症状についてご説明します。
白内障の疑いがあるかどうか確認できるセルフチェック項目も記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。


白内障の初期症状はほとんど自覚症状がない

白内障は多くの場合、加齢に伴って進行しますが、ごく初期の段階では自覚症状があまり現れないこともしばしばあります。また、白内障の進行に気づかないまま放置し、症状が悪化してしまうことも多く見受けられます。


ただし、白内障は眼のかすみやぼやけなどの症状をともなって、ゆっくりと進行する病気で、ある日突然失明することはありません。
目のかすみや眩しさを感じた場合、できるだけ早く専門医に相談してみてください。


セルフチェックをすることが大事

白内障は、ごく初期の段階では自覚症状がほとんどないと説明しました。
多くの人は、目のかすみや不自然な眩しさといった、白内障特有の症状が出てから気づきます。


適切な治療のタイミングを逃さないためには、早期発見が鍵となります。
違和感を覚えた際は、いますぐにできる「セルフチェック」から始めましょう。
以下で紹介するセルフチェックの項目に1つでも当てはまれば、すでに白内障が進行しているかもしれません。


    <白内障セルフチェック項目>
  • ● なんとなくモノが見えにくい
  • ● このところ本や新聞を読むのが疲れる
  • ● 階段の上り下りをするのが怖い
  • ● モノにつまずいたりぶつかったりすることが多い
  • ● 遠くのものを見たときに左右の眼で見え方が異なる
  • ● テレビに映っている人の顔や字幕が見にくい
  • ● 異常なほど太陽の光がまぶしく感じる
  • ● 以前とモノの色合いが変わって見える
  • ● 眼鏡の度数が合わなくなった
  • ● 免許の更新ができなかった
  • ● 免許の更新ができなかった

白内障のおもな2つの治療法

白内障の治療は、病気の進行状況に応じて異なります。


初期段階では、点眼薬を使った薬物療法によって進行を遅らせられるケースもあります。しかし、視力低下が著しい場合は手術が必要です。


それぞれの治療法について詳しく解説します。


初期は点眼薬(目薬)で様子を見る

視機能にあまり影響していない初期の段階では、点眼薬などで様子を見るのは悪くありません。


白内障の診断が下っても、日常生活に支障が無い間は、手術をする必要はありません。


ただし、点眼薬の効果は、あくまでも白内障の進行が緩やかになる可能性だけで、既に濁ってしまった水晶体は、もとには戻ることはありません。


日常的に症状が見られ、生活に支障をきたす場合は手術を検討しましょう。


白内障の治療に使用される主な点眼薬は、グルタチオン製剤とピレノキシン製剤の2つです。


グルタチオン製剤

白内障は、眼の水晶体に含まれる「グルタチオン」という物質の低下や、グルタチオンを合成する酵素の機能が低下することにより、発症するとされています。


「グルタチオン製剤」を点眼することで、水晶体のグルタチオンを補充します。


1日に点眼する回数は、1滴を3~4回ほど。ただし、点眼回数は状態によって変わるので、医師の指示に従いましょう。


ピレノキシン製剤

「ピレノキシン製剤」は、水晶体の透明性を維持させる効果がある点眼薬です。


眼の水晶体に含まれるアミノ酸の代謝異常によって発生する「キノイド物質」は、眼の水晶体にあるタンパク質を変性させます。


キノイド物質によって変性したタンパク質は、白内障の原因となります。


ピレノキシン製剤を点眼することでキノイド物質の作用が弱まり、結果として、白内障の症状や進行を抑えることができます。


市販の目薬の効果には限界がある

ドラッグストアなどで市販されている目薬にも、「白内障予防」「進行抑制」を謳うものがあります。
ビタミン類やアミノ酸を配合し、目の健康をサポートする成分が含まれているのが特徴です。


ただし、市販の目薬には医療用点眼薬ほどの効果は期待できません。あくまで目の疲労回復や栄養補給をサポートする目的であり、白内障の進行を抑える効果は限定的です。


点眼薬の効果を過剰に期待すること無く、眼科を受診して適切な治療を受けることが重要です。

症状が進行した場合は手術が必要

白内障が進行し、日常生活に支障が出る場合は手術が必要です。


手術は症状の進行具合や、日常生活への影響を考慮して行います。以下のような状況であれば、手術をしたほうが良いでしょう。


  • ● 視力が低下し、日常生活に支障が出ている
  • ● 眼鏡やコンタクトレンズでも視力が改善しない
  • ● 眼鏡やコンタクトレンズでも視力が改善しない

手術と聞くと、何日もかけて行う大掛かりなイメージがあるかもしれません。


しかし、医療技術や機器の進歩によって、現在は日帰りで白内障の手術を受けることも可能です。


具体的な手術の方法としては、白内障によって濁った水晶体を除去し、人工の水晶体(眼内レンズ)を眼のなかに取りつけます。


局所麻酔を使用するので、痛みはありません。ご安心ください。

おわりに

白内障は初期段階であれば、患者さんの病識を持ってもらう事を主な目的に点眼治療が選択されることもあります。
日常生活に問題ないレベルで症状が収まっている間は、手術は必要ありません。


しかし、一度症状が進行してしまうと自然に治ることはなく、症状は悪化の一途で解決することはありません。根本的に治すためには手術が必要です。定期的な眼科検診を受けることが、白内障の早期発見と適切な治療につながります。日頃の予防とケアを心がけ、快適な視界を維持しましょう。

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