白内障は進行度毎に複数のステージに分類されます。初期はほぼ自覚症状がないものの、進行するにつれ視界がかすむ、光をまぶしく感じるなどの症状が現れます。
最終的には視力が大幅に低下し、日常生活に支障をきたすため、適切なタイミングでの診断と治療が重要です。本記事では、白内障のステージ分類と、各段階に応じた治療の選択肢について詳しく解説します。
目次
白内障のステージ(グレード)分類
白内障は進行性の疾患であり、症状の進行度に応じていくつかのステージに分類されます。
なお、白内障においてはステージではなく、グレード1、グレード2のように「グレード」で分類するのが一般的です。
具体的には以下の4段階に分けられ、それぞれで症状や治療の方針が異なります。
- ● 初発白内障(グレード1)
- ● 未熟白内障(グレード2)
- ● 成熟白内障(グレード3)
- ● 過熟白内障(グレード4)
視力維持のためには、早期発見と適切な対処が必要です。
初発白内障(グレード1)
初期段階では、水晶体のわずかな濁りが見られます。視力低下は軽度で、自覚症状がほとんどないこともあります。
明るい場所でまぶしさを感じたり、細かい文字が読みづらくなったりすることが特徴です。40歳以上の約30%に白内障の初期症状が見られるとされているため、定期的な眼科検診をおすすめします。
当院では、視力検査や細隙灯顕微鏡を用いた診察を行い、白内障の早期発見に努めています。
未熟白内障(グレード2)
進行が進み、水晶体の濁りが顕著に現れます。また、視界がかすみ色の識別がしにくくなることが多いです。特に夜間の運転時に対向車のライトがまぶしく感じるケースが増えます。
50歳以上の約60%がこの段階に該当するとされており、生活に支障をきたす場合には治療の検討が必要です。
成熟白内障(グレード3)
水晶体全体が白く濁り、視力が大幅に低下します。
この段階まで進行すると視力が0.3以下になるケースが多く、眼鏡やコンタクトレンズでの改善が困難です。
この段階に至ると、有効な治療法は手術のみとなります。
過熟白内障(グレード4)
最も進行した段階であり、水晶体が完全に白濁している状態です。
視力はほぼ失われ、わずかに光を感じる程度まで低下します。水晶体の成分が液化し炎症を引き起こすこともあるため、早急な治療が必要です。
過熟白内障を放置すると、眼圧上昇や緑内障を発症するリスクが高まります。また、このステージになると手術難度も高くなります。
当院では、進行度合いに応じた最適な手術方法を提案し、患者の負担を最小限に抑える治療を行っています。
白内障の各ステージ(グレード)における治療法
白内障は進行度に応じて適切な治療法を選択することが重要です。
初期の段階では点眼薬や生活習慣の改善による進行抑制が中心で、進行すると手術が必要になります。
視力の低下が日常生活に支障をきたす前に、適切な治療を受けることが推奨されます。
初発白内障の治療法
初期は水晶体の濁りは軽度で、視力への影響も比較的少ないです。 まぶしさや視界のかすみを感じることがあるものの、眼鏡の調整や適切な照明環境の確保によって改善できる場合があります。
進行を遅らせるために、ビタミンCやビタミンEを含む食事を意識することが推奨されます。 また、効果は限定的と言わざるを得ませんが、抗酸化作用のある白内障治療用の点眼薬が処方されることもあります。
未熟白内障の治療法
水晶体の濁りが広がり、視力の低下が進む段階です。夜間の視力が落ちたり、対向車のライトがまぶしく感じたりすることが増えます。日常生活に支障が出始めた場合には、手術の検討が必要です。
白内障手術の時期については、矯正視力が0.7以下に低下し、生活の質に影響を与え始めたタイミングが目安とされています。眼鏡を掛けた時の視力が0.7を下回ると、運転免許の更新が出来なくなります。視力の低下が進むと、より高度な手術が必要になるため、適切な時期での治療が望ましいです。
成熟白内障の治療法
水晶体が全体的に濁り視力が大幅に低下した状態で、新聞やスマートフォンの画面がほとんど読めなくなります。治療法は手術のみです。
白内障手術は、超音波乳化吸引術が一般的です。水晶体を超音波で細かく砕きながら吸引し、人工の眼内レンズを挿入します。手術時間は10~15分程度で、日帰り手術が可能なケースも増えています。
過熟白内障の治療法
白内障が最も進行した状態であり、水晶体が完全に白濁しています。視力がほぼ失われ、光を感じる程度まで低下することもあります。この段階になると、水晶体の成分が液化し、炎症や眼圧上昇を引き起こすリスクが高まります。
手術は成熟白内障の段階と同様に、超音波乳化吸引術が基本ですが、水晶体の硬化が進んでいる場合には、より高度な技術が求められます。水晶体の摘出が難しくなるため、学会、講演会で、難症例手術に対する講演などの実績を持つ医師でないと、手術が困難なステージです。放置するとさらに手術の難易度が上がり、回復までの期間も長くなる可能性があります。
当院では、進行した白内障にも対応可能な技術を備えています。手術後の回復期間を短縮するために、術後ケアも充実させ、視力の回復をサポートしています。
白内障の進行を遅らせる方法
白内障は加齢に伴う自然な現象であり、発症進行を完全に予防できるものではありませんが、日頃の生活習慣を見直すことで進行を遅らせることができます。 この章では、白内障の進行を少しでも遅らせるために、日常生活、無理の無い範囲で可能な心がけについて解説します。
紫外線対策を徹底する
紫外線は水晶体のタンパク質にダメージを与え、白内障を進行させます。外出時には紫外線を防ぐ工夫をしましょう。 日差しが強い日には、UVカット機能付きのサングラスや帽子を使用するのがおすすめです。サングラスは顔にしっかりフィットするデザインを選びましょう。その方が紫外線の影響を抑えられます。
曇りの日も油断してはいけません。太陽が出ていなくても、70%もの紫外線が降り注いでいるといわれています。 白内障を防ぐためには、年間を通して紫外線対策を行うことが効果的です。紫外線対策を習慣化することで、白内障の発症リスクを軽減し、進行を抑制できます。
ステロイド薬の使用に注意する
ステロイド薬は炎症やアレルギー反応を抑えるために広く使われていますが、長期間の使用は白内障の発症リスクを高めます。
ステロイド薬は、本来、原疾患(多くは重大な疾患)の治療のために必要で使われているものですから、自己判断で中断したり減量することは、その疾患の悪化を招きます。 しかし、医師の指示に従い治療経過をしっかりと確認することで、副作用のリスクを抑えられます。
ステロイド点眼薬を使用している場合も、長期間の使用は目の水晶体に影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。 使用期間や頻度を守り、定期的に眼科検診を受けるよう心がけてみてください。
バランスの良い食生活を心がける
栄養不足や偏った食事は、目の健康にも悪影響を及ぼします。水晶体の老化を遅らせるためには、抗酸化作用のある栄養素を意識的に摂取することです。
ビタミンCやビタミンE、ルテインなどの栄養素は、目の健康維持に欠かせません。 ビタミンCは柑橘類やキウイフルーツ、ブロッコリーなどに多く含まれています。ビタミンEはアーモンドやひまわり油、かぼちゃに豊富です。 ルテインは、ほうれん草やケールなどの緑黄色野菜に含まれています。
栄養バランスの良い食生活を続けることで白内障の進行を防ぎ、再発のリスクを下げられます。
生活習慣を見直す
喫煙や過度な飲酒は体内の酸化ストレスを増大させ、水晶体の劣化に繋がります。 特に喫煙は、白内障の発症リスクを最大3倍以上に高めるとされているため、喫煙本数を減らしたり禁煙したりすることが重要です。
また、十分な睡眠を確保し、目を休める時間を作ることも効果的です。 現代ではスマートフォンやパソコンの使用時間が増え、目に負担をかける生活が一般的になっています。
目の疲れを軽減するために、長時間の作業の合間に適度な休息を取り入れましょう。 遠くを見ることで目の緊張を和らげる効果があります。
適度な運動も生活習慣の1つとして取り入れると良いでしょう。 血行が促進されることで目の健康に必要な栄養が行き渡りやすくなり、全身の健康維持にもつながります。
おわりに
白内障は徐々に進行していく病気です。視力の低下やまぶしさなど、日常生活に影響が出始めたら手術を検討しましょう。ステージが進行した白内障を放置すると、手術の難易度が上がり合併症を引き起こす可能性もあります。
大内雅之アイクリニックでは、最先端の医療技術を駆使し、患者の状態に合わせ最適な治療を提供しています。 白内障の症状でお悩みの方は、お早めにご相談ください。