白内障が遺伝する確率とは?子供への影響や緑内障との関係、予防法も紹介

白内障が遺伝する確率とは?子供への影響や緑内障との関係、予防法も紹介

2025.04.03

白内障が遺伝する確率とは?子供への影響や緑内障との関係、予防法も紹介

この記事の監修者

 
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

白内障が遺伝する確率とは?子供への影響や緑内障との関係、予防法も紹介

白内障は加齢だけでなく、遺伝的な要因で発症することがあります。
特に、先天性白内障は出生時から症状が現れることがあり、それには遺伝や胎児期の影響が関係する場合もあるのです。
本記事では、白内障の種類ごとの遺伝確率や、先天性・若年性・後天性の違い、子供への遺伝の可能性について詳しく解説します。
遺伝する場合の予防策や、早期発見の重要性についても紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。


白内障の種類ごとの遺伝する確率

白内障にはいくつかの種類があり、それぞれ遺伝の影響や確率が異なります。
生まれつき発症するものもあれば、加齢や生活習慣によって発症する場合もあります。
白内障が遺伝する可能性があるかどうかを正しく理解し、適切な対策を取ることが大切です。


先天性白内障の遺伝確率はおよそ50%

先天性白内障は、生まれつき水晶体が濁っている状態で、親からの遺伝である確率が高い病気です。
特に、片方の親が先天性白内障を持つ場合、子供に遺伝する確率は約50%とされています。
特定の遺伝子変異や染色体異常が原因となる場合が多いです。
ただし、すべての先天性白内障が遺伝するわけではありません。


若年性白内障の遺伝確率はおよそ30%

若年性白内障は、比較的若い年齢で発症する白内障であり、30~50代で症状が現れることが多いです。
遺伝による場合と、その他の疾患に合併するもの、生活習慣や環境要因が影響する場合があります。
特に、家族に先天性白内障の患者がいる場合、遺伝する確率は30%程度と考えられています。
しかし、若年発症の中でいま最も多いのは、アトピー性皮膚炎に合併するもので、次いで糖尿病・外傷、薬剤性、紫外線の影響などですので、遺伝以外の発症要因にも着目し、予防策を講じることが、より重要です。


後天性白内障はほとんど遺伝しない

実は白内障のほとんどは、加齢が主な原因です。
加齢によって、次第に眼のなかにある水晶体が硬くなり、濁ってくるからです。

前述の、アトピー、糖尿病、などに合併するものも、若年発症ではあっても。後天性ですので、遺伝は関与しません。
しかし、家族に白内障の発症者が多い場合、体質的に進行しやすい傾向があるともいわれています。
遺伝による直接的な発症リスクは低いですが、眼の老化を遅らせるために適切なケアが必要です。


 

先天性白内障の原因

先天性白内障は、生まれつき水晶体が濁っている状態を指し、乳幼児の視力発達に大きな影響を与える恐れがあります。
遺伝をはじめ、以下のようなさまざまな原因が考えられます。


遺伝

先天性白内障の多くは遺伝によるものであり、親から子へ特定の遺伝子が受け継がれることで発症することがあります。
優性遺伝や劣性遺伝の形式で遺伝する場合がありますので、家族に白内障の既往歴がある場合は注意が必要です。
特に、水晶体の形成に関わる遺伝子に変異があると、胎児の発達過程で異常が生じ、出生時から水晶体が濁っていることもあります。
遺伝カウンセリングを活用することで、発症リスクを事前に把握することが可能です。


胎児期の感染症

じつは妊娠中に母親が特定の感染症にかかると、胎児の水晶体の発達に影響を及ぼすことがあります。
特に、風疹ウイルス、サイトメガロウイルス、トキソプラズマなどが先天性白内障の原因として知られている感染症です。
妊娠初期にウイルスに感染すると、胎児の視覚器官が正常に発育できず、白内障を発症してしまう恐れがあります。
妊娠を計画している場合は、予防接種や感染対策を徹底することが重要です。


代謝異常や染色体異常

一部の先天性白内障は、代謝異常や染色体異常と関連しています。
例えば、ガラクトース血症という先天性代謝異常症では、体内でガラクトースを正常に分解できず、その影響で水晶体が濁ってしまいます。
また、ダウン症候群のような染色体異常を伴う疾患では、白内障の合併率が高いことが知られています。
白内障以外にも発達や健康に関する複数の問題が生じることがあるため、早期の診断と適切な医療管理が必要です。


胎児の発達異常

水晶体の形成は、胎児の成長過程でとても重要なステップの一つです。
成長過程で何らかの異常が生じると、水晶体の透明性が失われ、白内障が発生する恐れがあります。
原因はさまざまで、遺伝や母体の生活環境などが複雑に絡み合って発症することも少なくありません。
妊娠中の栄養不足や薬剤の影響が発育に悪影響を与えることがあるため、妊娠中の方は十分な栄養管理と医師の指導のもとで適切な生活を送ることが大切です。

 

白内障と緑内障の遺伝における関連性

白内障と緑内障は、名前はよく似ており、どちらも視力に影響を与える疾患ですが、それぞれ全く異なる疾患です。
しかし、家族内発症がみられることから、遺伝的要因が関係している可能性が指摘されています。


白内障が遺伝する要因

白内障は加齢によるものが大半ですが、先天性や若年性の場合、遺伝的な要因が関係することが多いです。
特に、先天性白内障の原因として、CRYAA、CRYBB2、GJA8などの遺伝子変異が報告されています。
家族内での発症例が多い場合、これらの遺伝子異常が関与している可能性が考えられます。


緑内障が遺伝する要因

一方の緑内障ですが、緑内障にはいくつかの種類がありますが、特に原発開放隅角緑内障や先天性緑内障では遺伝の影響が強いとされています。
MYOC、OPTN、CYP1B1といった遺伝子の変異が、緑内障の発症リスクを高めることが確認されています。
家族に既往歴がある場合は、発症の可能性が一般の人より高くなるため、定期的に眼科検診を受けましょう。

 

先天性白内障の予防策

先天性白内障は、遺伝的要因や胎児期の感染、代謝異常などさまざまな原因によって発症する病気です。
すべてのケースを完全に防ぐことは難しいですが、適切な対策を講じることで発症リスクを軽減できる可能性もあります。
ここからは、先天性白内障の発症を防ぐ方法を紹介します。

遺伝カウンセリングを受ける

先天性白内障は遺伝が関係する場合があるため、家族に白内障の既往歴がある場合は、事前に遺伝カウンセリングを受けましょう。
遺伝子検査を通じて、どの程度の遺伝リスクがあるのかを把握し、適切なアドバイスを受けることができます。


妊娠中の感染症に注意する

胎児期の感染は、先天性白内障の大きなリスク要因の一つです。
特に、風疹ウイルス、サイトメガロウイルス、トキソプラズマなどは、水晶体の異常を引き起こす恐れがあります。
妊娠前に風疹の抗体検査を受け、必要であれば予防接種を受けることで、感染リスクを低減できます。
また、妊娠中は感染症を避けるため、人混みを避ける、手洗いや消毒を徹底する、生肉や加熱不足の食品を控えるなどの対策が有効といえます。


代謝異常対策や栄養管理を徹底する

一部の先天性白内障は、代謝異常が原因となって発症することがあります。
例えば、ガラクトース血症の場合、ガラクトースを適切に代謝できないため、体内に蓄積し、白内障の原因となることもあります。
代謝異常がある場合、妊娠中から専門医の指導を受け、適切な食事管理を行うことが重要です。
また、胎児の正常な発育を促すために、葉酸やDHA、ビタミンA・C・Eを意識して摂取しましょう。


薬剤や環境要因に配慮する

妊娠中の薬剤使用や有害物質への曝露は、胎児の発育に影響を与える可能性があります。
特に、一部の抗生物質やステロイド剤は、水晶体の異常を引き起こすことが報告されています。
自己判断での薬の服用は避け、医師に相談しながら安全な薬を選びましょう。
また、化学物質や放射線への曝露を避けるため、妊娠中の環境にも配慮し、喫煙やアルコール摂取を控えることが望ましいです。


<関連記事>
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定期的な妊婦健診をする

先天性白内障は、早期発見と適切な治療が視力の発達に大きく影響します。
そのため、妊娠中の定期健診を怠らず、胎児の成長や発達に異常がないかを確認することが重要です。
出生後も新生児の視覚チェックを行い、異常が見られた場合は早めに眼科を受診することで、適切な治療を受けることができます。
視覚の発達が進む時期に適切な処置を行うことで、将来的に視力への影響を最小限に抑えられます。

 

おわりに

白内障にはさまざまな種類があり、遺伝的要因が関係するケースも少なくありません。
特に、先天性白内障は遺伝や胎児期の環境によって発症することがあり、予防のためには妊娠前からの準備が重要です。
遺伝カウンセリングを受けたり、感染症対策や栄養管理を徹底したりすることで、発症リスクを低減できる可能性があります。
また、出生後の早期発見と適切な治療によって、視力への影響を最小限に抑えることが可能です。
本記事を参考に、白内障のリスクを理解し、適切な対策を講じましょう。

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