白内障はストレスが関係する?脳梗塞との関連性や予防法も解説

白内障はストレスが関係する?脳梗塞との関連性や予防法も解説

2025.03.18

白内障はストレスが関係する?脳梗塞との関連性や予防法も解説

この記事の監修者

 
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

白内障は加齢が主な原因とされていますが、ストレスも発症や進行に影響を与える可能性があることはご存じですか?ストレスと言っても、職場や対人関係と言った心理的ストレスではなく、物理的・肉体的ストレスです。特に若年性白内障の場合、ストレスとの関連性が指摘されることもあります。

本記事では、ストレスが白内障に及ぼす影響や、ストレスを軽減することで白内障を予防する方法について詳しく解説します。

ストレスと白内障の関係性

ストレスと白内障は無関係のように見えますが、実は症状の進行に影響することがあります。

では一体、どのような仕組みでストレスが白内障の症状を進行させるのでしょうか?詳しく見てみましょう。

酸化ストレスが水晶体を濁らせる

酸化ストレスとは、生体内で活性酸素の発生が抗酸化防御機構を上回り、細胞が酸化される状態のことで、さまざまな疾病や老化との関連が示唆されています。活性酸素は体内で常に発生していますが、過剰に増えると細胞にダメージを与えます。その結果、水晶体が濁り、白内障の発症や進行につながるのです。

過度なストレスは若年性白内障のリスクもある

近年の研究では、慢性的なストレスを抱える人ほど白内障を発症しやすい傾向があると報告されています。特に、長時間のデスクワークや睡眠不足など、現代社会特有のストレス環境にある人は発症リスクが高いです。

40歳以下で発症する白内障は「若年性白内障」と呼ばれ、生活習慣や健康状態が大きく影響する場合もあります。当院は、若年層の白内障患者さんの受診が多く、若年白内障の手術件数も多い施設です。

白内障と他の疾患との関連性

白内障は、全身の健康状態とも深く関わる眼の疾患です。特に生活習慣病や循環器系の疾患と関連があると考えられており、白内障の進行がほかの病気のリスクを高める可能性もあります。この章では、白内障とほかの疾患との関連性について解説します。

脳梗塞との関係

白内障の発症と脳梗塞には、いくつかの共通のリスク要因が存在します。高血圧や動脈硬化は、脳の血管が詰まりやすくなるだけでなく目の毛細血管にも影響を及ぼすため、どちらの疾患にも影響を与えます。

また、白内障の疑いがある人は、視力の低下によって運動量が減る傾向にあります。身体を動かす機会が減ると血流が悪くなり、脳梗塞のリスクが高まる可能性もあります。

糖尿病との関係

糖尿病患者は、白内障を発症しやすいことが知られています。血糖値が高い状態が続くと水晶体に糖が蓄積し、内部のタンパク質が変性するからです。
加えて、糖尿病網膜症を併発するとさらに視力低下が加速するため、早期の治療が重要です。


認知症との関係

白内障の進行と認知症には関係があると指摘されています。視力が低下すると脳への刺激が減り、認知機能が低下しやすくなることが原因と考えられています。

特に加齢による視力の衰えは、記憶力や判断力にも影響を与える可能性があります。ワシントン大学の研究では、適切の時期に白内障の手術を受けた人は認知症の発症率が30%以上低下するという結果も出ています。


“ People who have cataracts can reduce their risk of developing dementia by about 30 per cent by undergoing surgery to restore their sight

引用元:newscientist.com


当院では、視力の低下が認知機能に与える影響を考慮しながら、患者一人ひとりに合った治療方針を提案しています。

ストレス軽減によって白内障を予防する方法

白内障の主な原因は加齢ですが、ストレスも発症や進行を促す要因の一つと考えられています。慢性的なストレスは体内で活性酸素を増やし、水晶体の酸化を引き起こすからです。
ここからは、白内障の原因となりうるストレスを軽減する方法をご紹介します。

十分な睡眠を確保する

睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、ストレスの蓄積につながります。質の良い睡眠をとることで体の回復力が高まり、目の健康も維持しやすくなるでしょう。
就寝前にスマートフォンやパソコンの使用を控えると、より深い睡眠を得られます。


適度な運動を習慣にする

運動は血流を改善し、ストレスを軽減する効果があります。ジムでの筋トレやランニングなど、激しい運動をする必要はなく、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動でも十分に効果が期待できます。
週に3回以上、30分程度を目安に、軽めの有酸素運動から始めてみましょう。

抗酸化作用のある食事を心がける
ストレスによって増加する活性酸素を抑えるには、抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取することが大切です。
ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールを含む食品は、白内障のリスクを下げるとされています。例えば、緑黄色野菜やナッツ類、ベリー類などを食事に取り入れると良いでしょう。また、適度に水分をとり目の乾燥を防ぐことも大切です。

定期的な眼科健診を受ける
白内障の予防には、早期発見と適切なケアが欠かせません。ストレスを減らす生活習慣を心がけるだけでなく、定期的に眼科を受診し、目の状態を確認することが大切です。
適切な対策を取り入れることで、白内障の発症リスクを下げ、健康な視界を保ちましょう。

当院では、白内障のリスクを診断し、一人ひとりに合った治療の時期を提案しています。
気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談すると安心です。

おわりに

白内障の発症や進行にはさまざまな要因が関係しており、ストレスもその一つとされています。
慢性的なストレスは活性酸素を増やし、水晶体の酸化を引き起こすことで白内障のリスクを高める可能性があります。そのため、十分な睡眠や適度な運動、抗酸化作用のある食事を意識することが予防につながるでしょう。

当院では、白内障のリスクを評価し、適切な対策や治療の時期をご提案します。ストレスを適切に管理し、白内障のリスクを減らすためにも、定期的な眼科検診を受けることをおすすめします。

カテゴリCATEGORY

過去記事ARCHIVE

TOP
診療時間
アクセス
お電話でのご予約・お問合せ Tel.075-662-5660 電話予約
24時間受付 WEB予約
24時間受付 WEB予約