院長ブログ(医療の真実、医者の舞台裏)Blog

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Vivity扱ってますか?シナジーの手術はお幾らですか?

多焦点レンズの○○扱ってますか?費用は幾らですか? 最近こういう問い合わせのお電話が時々入ります。当院は、医師の輸入ライセンスが必要な海外のレンズを含め、京都で最大の多焦点レンズラインナップを有していますので、他院で扱っていて、当院に無いレンズはありません。

 

では費用はどうか?当院の多焦点レンズ手術費用は、他院と比較して決して廉価ではありません。

 多焦点レンズは、家電や車ではありませんので、「同じレンズなら、どこで手術をしても結果が同じ」ではありません。なぜなら、先ず細かく設定されている度数、乱視矯正の要否、必要であれば、乱視矯正度数、固定角度、そして意図したとおりに正確に固定する技術、全てが揃わないと「よく見える」手術にはなりません。同じテレビなら、ヨドバシでもヤマダ電機でも同じ。なら安い方で買おう、、、と言うのとは、全く訳が違います。

非常にデリケートな多焦点眼内レンズ手術を「見える」手術として安定的に行っている施設では、必ず、眼内レンズの専門家が診療を行い、手術もその医師が執刀し、その成績は学会など公の場で発表され、同業者=眼科医師の評価に耐えています。一番簡単な区別法は、その施設のHPの業績ページを見てみましょう(無ければ即アウトです)。「多焦点眼内レンズがあります」と「その手術が出来ます」は全くレベルが違うことをご認識下さい。白内障専門家(=講演実績、論文執筆がある)の手術と、そうで無い医師の手術では術後成績が違うことが、大規模研究でも知られています※。


常勤医が1名で、日替わりのアルバイト医師の外来が多く、「あれもやってます、これもやってます」は、ファミリーレストランと同じで、ファミリーレストランでもお寿司セットは売ってますが、鮨職人から見れば、それは鮨ではありません。

費用が最も大切という方は、それでも良いかも知れませんが。


 そのために、学会では、医師達は私達の講演を聴講して、様々な患者さんに適した多焦点眼内レンズの選択法、度数設定、正確な固定法などを学びに来ているのです。
特に、全国学会の日本眼科手術学会にてトップサージャン4名で毎年行っている「超本音のマルチIOL、すべてお話しいたします」シリーズは、毎回立ち見が出るほどの人気セッションですが、きちんとした手術をしている眼科手術医達は、それだけ真剣に、この手術を学問として考えているのです。

 特に多焦点眼内レンズ手術のような、高額でデリケートな手術を行うには、まず執刀医自身の成績を発表してから、患者アピールをするのが業界の常識ですので、この順序が反対で「多焦点レンズ手術を行っています」の集患アピールだけが強い施設は要注意です。医療過疎地でもない京都市内にも、いまだにこの様な施設が存在するのは、心が痛い限りですが、そのような医院のHPでは、眼内レンズメーカーの説明資料をそのまま掲載しているページがあります。ご丁寧に集患目的の説明会を開催しているところもありますので、レンズの種類と一般的特徴をそこで予習をしてから、ご自身が手術を受けるときには、講演実績、論文実績で信頼度の分かる眼科を選んで受診するのが、もっとも賢い患者行動ですね。

 買い換えの効かない、眼の中に入れるレンズ。眼鏡やコンタクトとは全く違います。

それでも関心は、
1, ○○のレンズを扱ってますか?
2, そしてお幾らですか?
の順ですか?

※ Campbell RJ, El-Defrawy SR, Gill SS, Whitehead M, et.al. Surgical Outcomes among Focused versus Diversified Cataract Surgeons. Ophthalmology. 128: 827-834, 2021

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