日本白内障屈折手術学会では、毎年12月に、ウィンターセミナーという、専門家が集まって手術について議論する会を催しています。
そこでは、白内障手術プレミアリーグと称して、難しい症例に対するテクニックや、手技のアイデアを競うビデオコンペティションが行われます。事前に作成したビデオを、演壇で自ら解説しながら会場に流し、審査員のジャッジを受けるのです。この会は毎年、東京赤坂のキャピタル東急ホテルという立派なホテルの大広間で行われ、審査発表時には、ドラムロールや音楽が流れて、さしずめ年末のレコード大賞の様相です。
そこで、今年も私がベストビデオ賞、つまり一等賞を頂きました。今年も,と書いたのは、昨年に引き続き、2年連続だからで、これは、史上初の快挙だったからです。(ちょうど一年前の,このブログをご覧下さい→https://ouchi-eye.sakura.ne.jp/ouchi-eye.com-renewal-2023/blog1/878/)
受賞したビデオの内容は、一般の患者さんにご説明するのは難しいのですが、珍しい症例、特殊な手術ではなく、日常の手術の中で思い立ち、知っていると知らないとでは大違い、皆が白内障手術をより効率的に出来る、そんなテクニックの紹介でした。ですので、受賞と共に、全国多くの先生方の手術の質や効率に貢献出来ることで、二重の喜びとなりました。
更にまた嬉しいことに、実は、このテクニックは,今や廃版で販売されていない器具(小さな廉価な器具です)を使ったものなのですが、この受賞を機に、再販されるようになったことです。安い器械なので、利ざやが少ない上に、あまり売れないものだったので、数年前に製造販売が打ち切られたらしいのですが、この小さな器具に、新たにスポットを当てられたことも、また、小さな喜びです。